イケメン弁護士の求愛宣言!
温かくて大きな手に包み込まれると、ドキドキが増してくる。

ほのかに匂う甘いコロンの香りを感じながら、そっと体を預けた。

「だけど、仕事を切り上げたわけじゃないから。ちゃんと終えてから来たんだ。誤解しないように」

笑いを含ませた真斗さんに、私もクスッと笑う。

「うん、分かってる。美織さんに会ったりするのは複雑だけど、真斗さんにはこれからも立派な弁護士であってほしいから……」

「期待に応えられるように頑張るよ」

雑誌に載るほどのやり手弁護士が恋人だなんて、つくづく信じられない。

だけど私には、そんな肩書きは大事じゃなかった。

「ねえ、真斗さん。私、真斗さんの肩書きが大事なわけじゃないから。弁護士だろうがなんだろうが、真斗さんが側にいてくれたらいいの……」

タケシくんの店で会った日、真斗さんに誤解をされたみたいで不本意だった。

本気で思われたわけじゃないと信じてはいたけど、自分の口からきちんと伝えたい。

そんな想いに応えてくれるように、真斗さんは体を離してそっとキスをした。
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