イケメン弁護士の求愛宣言!
『プチ同棲ってとこかな?』

真斗さんは冗談めかした言い方で、その夜合鍵を渡してくれた。

カード型の鍵は、元々二枚あるものらしい。

それをわざわざ持っていたということは、最初から同棲の話をするつもりだったってことだ。

真斗さんにそれを言ってみると、照れくさそうに認めた。

仕事では、アシスタントを外されたことが恨めしかったけど、それが逆に良かったのかもしれない。

真斗さんは、私が自分のアシスタントを外されたことが思いのほか寂しくて、同棲を考えついたと言っていたから……。

そう思うと、来島先生の提案も感謝だ。

「今日はヤケに機嫌がいいんだな」

ふと来島先生の声がして我に返った私は、誤魔化すように笑った。

今日は、先生とふたりで裁判所へ来ている。

といっても、裁判があったわけではなく書類提出のため。

本来は、ふたりで来るほどのことではないのだけど、このあと資料作成のための文献を探すために一緒にやってきた。

「真斗とうまくやってるんだろ? よかったじゃないか」
< 213 / 301 >

この作品をシェア

pagetop