イケメン弁護士の求愛宣言!
すると、先生の手がスッと伸びてきて、私の手を優しく包み込んだ。

「美織、お前が真斗のプライベートをごちゃごちゃ言う権利なんてないだろ? あいつのプライベートは、由依子ちゃんのものだ」

そう言って先生は、私の手を引きその場を足早に過ぎ去った。

すれ違う間際、美織さんは私を憎らしげに見ていたけど、目をそむけるしかできなかった。

来島先生に助けてもらえた嬉しさはあるけど、結局私が真斗さんの足を引っ張ってるんじゃないか。

その不安がまた頭をもたげてきて、今夜は真斗さんのマンションへ行く予定だけど、少し気分が落ち込んでしまった。

真斗さんに会ったらなんて言おう……。

知らないふりをした方がいいのか、それがどうしても分からない

「来島先生、ありがとうございました。私ひとりだったら、なにも言い返せなかったと思います」

しばらく歩いたあと、お礼を言った私に、先生は優しく微笑んだ。
< 217 / 301 >

この作品をシェア

pagetop