イケメン弁護士の求愛宣言!
それを聞いて、来島先生の言葉を思い出していた。

たしか美織さんのことを、『ワガママ』と言っていたはず。

もしかして、そういうところを表現していたのかもしれない。

「だけど、自分の意見を言うのは、悪いことじゃないと思うけど……」

美織さんを気が強いと言いたいのか分からないけど、私だって意見したいときもある。

だから、『自己主張』を嫌がられると、私も複雑だった。

「もちろん、そうだよ。だけどオレたちの場合は、お互いを主張しすぎた。オレ自身、性格的に相手の出方に乗っかる傾向があるから」

ちょっと苦笑いの真斗さんは、「だから美織とは、口ゲンカが絶えなくなって疲れたんだ」と言っていた。

相手の出方に乗っかる性格は、良い方に向けば弁護士にはピッタリかもしれない。

「だから美織とは、裁判でやりあうのが一番いい関係なんだと思ったよ」

やっぱり……。

真斗さんからそう言われ、同じように思っていたことが少しおかしかった。

「それなら私は、真斗さんを安らげる存在になってるのかな……?」
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