イケメン弁護士の求愛宣言!
ふたりで食べた朝ごはんは、ことのほかおいしくて、もっとゆっくりしたいと思ってしまう。

でも、職場でも真斗さんと一緒にいられるし、気持ちを切り替えていかなくてはいけない。

「よし、行こうか由依子」

「うん」

クルマのキーを手に取った真斗さんは、私の腕を軽く掴んで引き寄せた。

「だけど、その前に……」

「え?」

なんだろうと思ったと同時に、真斗さんの唇が重なった。

ギュッと強く抱きしめて、真斗さんはキスを続ける。

事務所までは車で数十分だから、すぐに着くと言えば着くけど……。

こんなにゆっくり、キスをしてる場合じゃないと思う。

「真斗さん、そろそろ行かなきゃ……」

なんとか隙を見計らって、真斗さんを体を押し返すと、彼はニッと微笑んだ。

「そうだな。充電完了。じゃあ、行こうか」

私の手を取った真斗さんは、車までずっとその手を繋いでくれていた。

それだけのことでも、心は温かくなって恋する気持ちも加速する。

だけど、キスをされてすっかりのぼせたようになった私と違って、余裕な顔の真斗さんが少し悔しかった。
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