イケメン弁護士の求愛宣言!
いつだったか、来島先生は真斗さんを恋愛初心者だと言っていた。

だけど、少なくとも私はさらにそれを上回ることだけは、間違いない。

だって真斗さんを、恋愛初心者だとは思えないから……。

「今日は、いつにも増してやる気満々だな」

頭の中は真斗さんでいっぱいでも、手は速く動いていたらしい。

来島先生と小部屋で資料作成をしていたら、そんな風に突っ込まれてバツ悪く肩をすくめた。

「すみません……。本当は、真斗さんのことばかり考えてました」

仕事中は、せめて考えないようにしようと思ってみても、無意識に思い出しているからいけない。

いくら手を動かしていても、心ここにあらずではミスをしてしまう。

そうなれば、来島先生に迷惑をかけるのだから、気を引き締め直さないといけない。

「すみませんでした先生。集中し直しますので」

一度軽く深呼吸をし、ペンを握り直したときだった。

「真斗のことを考えてた割には、かなり顔が真剣だったけどな。ニヤけてる感じとかは、全然なかったよ」

来島先生にそう言われた。
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