イケメン弁護士の求愛宣言!
振り向くと、笑いの主は来島先生で、目を細めている。

余計なことを言ったかもしれないと思った私は、少し気まずいながらも立ち上がって先生を見上げた。

来島秀一(しゅういち)先生は、30歳のエリート弁護士。

国立大学法学部をストレートで卒業し、司法試験もストレートでパスしている。

加えて、スラッとした180センチの身長と、涼しげな目元に薄い唇のインテリ系イケメン。

そして、サラサラとした黒髪は、清潔感たっぷりに短く切られていて、黒ぶちメガネがトレードマークだ。

普段は温和な性格だけど、裁判になるとかなり激しくなるタイプだと、この一年でよく分かった気がする。

「あいつが帰ってくれば、空気もピリッとしていいんじゃないか? ここの先生たちは、やり手ではあるけど、事務所に所属してるのは、みんな一年かそこらなんだし」

「そうですね……。たしかに、内野先生は、人をまとめるのを面倒くさいと思うタイプですし」

この事務所は、息子さんが留学するまでは、大先生と息子さん、そして来島先生の三人しかいなかったと聞いている。
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