イケメン弁護士の求愛宣言!
「え? でも、隣に座るのってそういう為なんでしょ?」

向かい合って座ると攻撃的になるからと、言っていたのは真斗さんの方なのに。

理解していたつもりが、分かっていなかった?

首をかしげる私に、真斗さんは優しく手を取った。

「時々は、意見のぶつけ合いもいいんじゃないか? 由依子は少し遠慮するところがあるから」

「あ……、気づいてたの……?」

ついさっき、心で思っていたことを言われて、驚きと感心とで気持ちが入り混ざる。

「他の男が絡むと冷静さを失うみたいだけど、そうでなければ、由依子の気持ちを汲み取る自信はある」

少し得意げな感じで、真斗さんは握っている私の手の甲へキスをした。

「唇じゃないのにドキドキする……」

真斗さんがしてくれることはすべて、私の胸をときめかせるものだと、しみじみ感じてしまう。

「本当は唇にしたいな。由依子は?」

「えっ⁉︎ わ、私?」

話が変な方向に進んでる……と思いながらも、真斗さんを見つめながら答えに詰まる。

返事なんて決まってるけど、恥ずかしくてすぐには答えられない。
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