イケメン弁護士の求愛宣言!
振り向くと、真斗さんがジャケットを脱いで、ネクタイを外しているところだ。

「真斗さん⁉︎ おかえりなさい。帰ってきたの全然気がつかなかった。ごめんね……」

玄関のドアが開いた音すら聞こえなかったなんて、どれだけ夢中で雑誌を読んでたんだろう。

ひとりで恥ずかしくなっていたところへ、真斗さんがテーブルを覗き込んだ。

「あれ? この記事……」

さすがに気づいた真斗さんが、ニヤッとした顔で私を見る。

ますます恥ずかしくなった私は、慌てて雑誌を閉じた。

「たまたま見つけて。真斗さんが出てたから読んでたの」

なんて、たまたま見つけたわけじゃない。

たしかに買うきっかけは真斗さんが載ってたからだけど、実は探し当てただなんて恥ずかしくて言えない。

だけど、どうやら真斗さんには見透かされているらしく、手に持っていたネクタイを無造作に放り投げると、私の腰に両手を回した。

「たぶん違うだろ? 普段から、経済誌なんて興味持ってないじゃないか」

真斗さんは不敵な笑みを浮かべて、私を引き寄せた。
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