イケメン弁護士の求愛宣言！

「そうだよ、由依子に。もうこれ以上は、言わなくても分かるだろ？ 最終的に別れを望んだのは、美織だったはずだ。もう、昔のオレたちには戻れない」

キッパリと言いのけた真斗さんを、美織さんはほんの少しの間見つめていた。

その表情は、ついさっきまでの未練を覗かせていたものではなく、力強い目つきでまるで真斗さんを挑発しているようにも見える。

「ええ、分かったわ。だけど、これからは真斗は私のライバルよ。あなたを潰すくらいの気持ちでやっていくから」

美織さんはそう言うと、私には目もくれず、さっさと部屋を出て行った。

その瞬間、先生たちの安堵のため息が聞こえてきて、私もどこか力が抜けていく。

そんな私の肩を優しく抱いた真斗さんは、穏やかな笑顔を向けてくれた。

「ようやく落ち着けるな。ほら、席に着こう」

「う、うん……。でも、美織さん大丈夫かな？」

いくらなんでも、他の先生たちもいる前で、かなりの修羅場だったと思う。

あんなに真斗さんからハッキリ言われて、美織さんのプライドはズタボロなんじゃないかと、さすがに心配になってきた。

それに『潰す』なんて、穏やかじゃない言葉も出てきていたし……。