イケメン弁護士の求愛宣言!
だけど真斗さんは、叩かれた頬と同じく、美織さんにもまるで気に留めていないみたいで、私の肩を優しく抱くと、先生たちのテーブルへ促した。

「大丈夫だよ。美織は、ハッキリ言ってやらないといけないタイプだから。気を遣って遠回しな言い方の方が、彼女のプライドを傷つける」

「そうなんだ……」

やっぱり、弁護士先生たちの性格を把握するのは難しそうだ。

私にはハラハラする会話に聞こえたけど、真斗さんがそう言うなら納得しよう。

長方形のテーブルに、向かい合うように座っている先生たちの、ちょうど真ん中が空いている。

そこへ座ると、正面の桜田先生が笑顔で声をかけてきた。

「そうそう、美織のことは気にしない。それより由依子ちゃん、これからオレたちとも長い付き合いになるからよろしく」

「は、はい。よろしくお願いします」

緊張を感じながらお辞儀をすると、他の先生たちもいろいろ質問し始めた。

ふたりきりのときの真斗さんの様子や、第一印象などを聞かれていると、ごく普通の男の人たちの集まりに思えてくる。

だけどホッとしたのもつかの間、だんだん会話は裁判などの話になり、ついていくだけでいっぱいだった。
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