イケメン弁護士の求愛宣言!
「はあ……。疲れた……」

化粧室から出た瞬間に、無意識に言葉にしていると、タイミングよく通りかかった来島先生にシッカリ聞かれていた。

「ハハハ。疲れたか。でも、これからは頻繁にあるから、覚悟しておかないと」

苦笑いの来島先生に、私は小さくなるしかない。

「だって、話が難しいんですから。それに皆さん会話のテンポが早くて、ついていくだけで精一杯でした」

ほとんど恨み節に言うと、先生の表情は苦笑いから優しい微笑みに変わった。

「そのうち慣れるよ。それに、いつだって真斗が側にいてくれるだろ?」

その言葉の裏には、『自分はいなくなるけど』が含まれてる気がして、途端に寂しさが込み上げてくる。

「先生はアメリカに行っちゃうんですよね? 急な話でビックリしました。真斗さんも知らなかったんですよね?」

しんみり見上げると、先生は笑顔を崩さず小さく頷いた。

「だけどな、ずっと前から考えていたことなんだ。由依子ちゃんに告白したときから、アメリカ行きは決めてた」

「えっ⁉︎ そうだったんですか?」

思いがけない先生の胸の内を聞いて、驚きでしばらくア然とした。
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