イケメン弁護士の求愛宣言!
同期会の時間を長いと思っていたのに、終わってみたら名残り惜しく感じるから不思議。

緊張しながらも高級フレンチのフルコースを堪能したあとは、どの先生も仕事をしたいからと、二次会はなくそのままお開きになった。

思っていたより気さくな先生たちの中でも、より親しみやすかった桜田先生が帰り際に声をかけてくれた。

「由依子ちゃん、またね。ふたりの結婚式には必ず行くから」

「は、はい。ありがとうございます」

ニコッと笑う先生に、私はぎこちない笑顔を浮かべるだけ。

照れくささと緊張とで引きつった笑いばかりだったけど、その後は真斗さんとふたりきりになれてようやく落ち着けた。

マンションに戻ったのは23時前で、寝支度を整えた私たちは、ベッドをソファー代わりに並んで座っていた。

「桜田先生に結婚式の話をされちゃって、ちょっとビックリしちゃった。プロポーズされたばかりなのにね」

他の人から『結婚式』という言葉を出されると妙に照れくさくて、思い出しては苦笑いを抑えられない。

当然、真斗さんも笑ってくれるだろうと思っていたのに、意外にも仏頂面だ。

「真斗さん……。なんだか、機嫌が悪い?」
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