イケメン弁護士の求愛宣言!
同期会の間は普通な感じだったのに、なにが気に入らなかったんだろう。

私が不快にさせるようなことをしてしまったとか……?

不安に思いながら返事を待っていると、真斗さんがぶっきらぼうに言った。

「途中、席を外してたとき、秀一となにを話してたんだ?」

「え?」

それはきっと、お手洗いに行っていたときのことを聞いているんだろうけど……。

真斗さんの機嫌の悪さに怯んだ私は、言葉を選んでしまってなかなか返事ができないでいた。

すると、私が答えるより早く、真斗さんが口を開いた。

「ごめん。こんな風に、問い詰められるような話し方をされるとイヤだよな。本当、ごめん……」

バツ悪そうに肩を落とす真斗さんに、私はそっと膝の上に置かれている彼の手に、自分の手を重ねた。

こういうときの真斗さんへのフォローは、なんとなく分かってきた気がする。

ヤキモチを妬いてくれて、でもそれを自己嫌悪に感じて落ち込んで……。

そんな真斗さんを愛おしく思うから。

こういうのを、『相手を理解する』っていうのかもしれない。

「あのね真斗さん。来島先生と、真斗さんの話をしたんだよ」
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