イケメン弁護士の求愛宣言!
それは、部屋を移動して来島先生から説明を受けている間も続いていて、頭をチラチラと真斗さんがかすめる。

「真斗さん、大丈夫ですかね……?」

ポツリと呟くと、向かいで書類を確認していた来島先生の手が止まった。

六畳ほどの小部屋は、ふたり掛けの黒色の革張りソファーが向き合う形で置かれていて、その間にガラスのリビングテーブルがある。

「どういうこと? 真斗が大丈夫かって?」

書類をテーブルに置いた先生が、いぶかしげに見ている。

そんな彼に、私はおずおず答えた。

「さっき、真斗さんが声をかけられたのって、私に用事があったんじゃないかなって思ったんですけど……。六法全書を見られていたし。資料作成かなって、気になってしまって」

やっぱり、もう一度声をかけてから、来島先生の手伝いをするべきだったかも。

この後からでも手伝うことはできるから、真斗さんに聞くべきだった。

そんな後悔が押し寄せていると、先生は深いため息をついたのだった。

「大丈夫だよ。子どもじゃないんだし。それに真斗は学生の頃から、ひとりでなんでもテキパキこなすタイプだったから」

「えっ? 先生たちは、同じ大学だったんですか? てっきり、司法修習が同じなだけなんだと思ってましたけど……」
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