イケメン弁護士の求愛宣言！
「え？ ご飯ですか？」

「そう。車で来てるから、どこでも行けるし。どうかな？」

そう言って真斗さんは、一台の高級車の側まで歩いて立ち止まった。

それは、有名な国内メーカーのもので、白いスポーツカータイプのものだ。

「由依子ちゃん、用事ある？」

車の横に立つ真斗さんは、もう一度そう聞いた。

少し積極的な誘いに戸惑いつつも、返事をせざる得ない。

「いえ、特に用事はないんですが……。私とふたりでってことですよね？」

確認するように問いかけると、真斗さんは小さく笑った。

「当たり前。迷惑なら、諦めるけど」

適当に用事があると言って、ウソをつくことだってできるのに、昨夜のそれなりに楽しかった時間を思い出し、小さく首を横に振っていた。

「いえ、誘っていただいて嬉しいです。真斗さんとは、これからお仕事でお世話になるので……」

ただ、なぜだかとても緊張するのは、今日が昨日のような偶然じゃなくて、真斗さんが望んで一緒にいようとしているから。

ご飯を食べに行くことを受け入れたのはいいけど、立ちすくんだままの私に彼は手招きをした。

「よかった。じゃあ、車に乗って。どこへでも、連れていくから」
< 43 / 301 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop