イケメン弁護士の求愛宣言!
「えっ⁉︎ それは申し訳ないです。ご馳走をしていただくなんて……」

たしか、一番安いコースでも一万円はすると雑誌で読んだことがある。

とても簡単に受け入れるわけにはいかない。

思わず立ち止まると、彼は穏やかに微笑んだ。

「いいよ。それは気にしなくて。その代わり、今夜も少し付き合って」

「は、はい……。ありがとうございます」

本当にいいのかな……。

真斗さんが早く行きたがる感じだったから、それ以上は遠慮をしなかったけど……。

申し訳ないと思いつつ店へ向かう私の腕を、彼は軽く引っ張った。

「そっちじゃないよ、こっち。せっかくだから、海を見よう」

肩越しに振り向いた私の手を握った真斗さんは、少し速い歩調で船が停まっている方へ向かう。

てっきり店で食事をすると思っていただけに戸惑いつつ、手を握られてますますドキドキだ。

「真斗さん、予約されてたんじゃないんですか? お店、大丈夫なんでしょうか……?」

予約ができたと言っていたはずなのに、海を見ていていいの?

たしかに、日が沈みかけた海はキレイだけど……。

すると、真斗さんはもう片方の手で、船を指差した。

「だから、予約したのはクルージングなんだ」
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