イケメン弁護士の求愛宣言!
「クルージングですか! ダメです! 無理です。こんな格好ですよ……?」

仕事ではスーツ姿の私は、『日本人形』に拍車がかかっている。

濃紺のスーツと、特にアレンジもしていない黒髪ストレートのロングヘアは、こんな華やかな場所に合っていない。

フレンチレストランに入るだけでも抵抗があったのに、クルージングなんてもってのほかだ。

真斗さんが華のある男前な人だけに、自分がかなり地味で、それだけでも萎縮してしまっているというのに……。

「こんな格好って? 別に、おかしい格好はしていないと思うけどな」

首をかしげる彼からは、本当に意味が分かっていないらしく、私は思い切って言ってみた。

「地味すぎませんか? いくらなんでも、クルージングって格好じゃないと思うんですけど……」

真斗さんは、あまり女性の格好を気にしないタイプなのかな?

こんな私をつれて、笑われるのは真斗さんの方なのに……。

すると、彼は私の頭を優しくポンポンと叩いた。

「昨夜も言ったと思うけど。由依子ちゃんは可愛いって。スーツはきちんとした格好だろ? おかしくなんかないよ」
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