イケメン弁護士の求愛宣言!
ダブル告白
そのあとは、まるで恥ずかしさを誤魔化すような真斗さんにつれられて船室に戻った。

だけど、ちょっと気まずい雰囲気に、お互い話ができないまま。

そして、気を遣ってくれた真斗さんが、早めに家まで送ってくれた。

それは、ありがたいのだけど、築三十年以上経つ私のアパートを見られるのは少し恥ずかしい。

真斗さんもひとり暮らしをしているらしいけど、きっと高級マンションかなにかだと思うから。

それに比べるとここは、三階建てで計十二戸の部屋があるだけの小さな建物。

もちろん、エレベーターはついていないし、鉄扉の重い玄関のドアノブは、丸い形のオシャレけのないものだ。

その三階住んでいる私は、一階入り口の階段付近で真斗さんに挨拶をした。

「今夜は、本当にありがとうございました。改めて、明日からよろしくお願いします」

ペコリと頭を下げると、真斗さんは苦笑いをした。

「こちらこそ、よろしく。それと、ごめん。突然一目ボレしたなんて言って、驚いたよな」

「いえ、謝らないでください。たしかにビックリしましたけど、真斗さんにそう思ってもらえるなんて光栄ですから。それにクルージングなんて初めてでしたから、とっても楽しかったです」

笑顔がぎこちなくなる私に、真斗さんは困ったように眉を下げた。

「光栄だなんて、他人行儀な言い方はしないでほしい。オレが由依子ちゃんを好きなことには変わりないから、前向きに考えてくれないかな?」
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