イケメン弁護士の求愛宣言!
「やだ、由依子ってば、そんなこと気にしてたの? こっちこそ、勇一くんを思い出させることしちゃって、悪かったなって思ってたのに」

三コールで電話に出た夏帆は、昨夜の態度の悪さを謝った私に、笑いながらそう言った。

彼女は彼女なりに、私を無理やりコンパに誘ったことを申し訳なく思っていたらしい。

そんな風に気を遣わせたことを悪かったなと思いつつ、怒っていなかったことにホッとした。

「そうそう、タケシくんっていたでしょ? 彼ね、由依子が帰る間際に、失礼なこと言ったって後悔してたんだ。由依子にも聞こえた?」

「あ、うん。彼氏なんてできないとかってやつよね……?」

私に声をかけてきたあの彼は、タケシくんていうのか。

やっぱり、全然名前に記憶がないくらいに、あの集まりには集中できてなかった。

「聞こえてたよね? なんかね、タケシくんて最初から、由依子狙いだったみたいなの。それなのに、さっさと帰っちゃったから、恨みごとを言っちゃったんだって」
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