イケメン弁護士の求愛宣言!
慌てて否定すると、夏帆の口調が不満げに変わった。

「なんでムリなの? そんなの分かんないじゃん。それともみんな、ガリ勉タイプでお断りって感じ?」

「そ、それは……。そんなことはないけど……」

だからって、真斗さんの話をするのはどうしても恥ずかしい。

夏帆は、私自身めったに会うわけじゃないし、ましてや真斗さんと彼女が会うことだってない。

だから、話すことに不都合があるわけじゃないけど、彼を思い出すだけで胸のドキドキが甦って調子が狂いそうになる。

そんな思いから、つい出た言葉は『来島先生』。

知的でルックスも学歴も抜群、さらに性格も優しいと気がつけばまくし立てていた。

「へぇ。そんな素敵な弁護士さんが側にいるんだ? それも、フリーなら由依子が狙っちゃえば?」

からかい気味の夏帆に、私は動揺しながら否定した。

「だから、雲の上の人だから無理よ。弁護士先生と、私が釣り合うと思う?」
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