イケメン弁護士の求愛宣言!
彼が寄ったマンションは、中心地から車で十分ほどの場所だった。

そこは、新幹線が発着する駅前で、車の往来が激しい。

人の行き交う姿も多く、その駅から大通りを挟んだすぐ目の前に、真斗さんの住むマンションがあるわけだけど……。

「ここって、つい三ヶ月前にできたばかりのタワーマンションですよね?」

併設する地下駐車場に入り車を停めると、私たちは再び地上へ出た。

見上げると、最上階は真下からではよく分からないくらいに高い。

それもそのはずで、五十階建てのマンションの最上階なんて、ここから眺められるものじゃなかった。

「由依子ちゃん、よく知ってるな」

立ち止まり、思わず上を見上げたままの私を、真斗さんは軽く肩を叩いて言った。

それに我に返った私は、自分が夢中で見上げていたことに気づいて苦笑いをする。

「はい。チラシでも見たことありますし、ローカルニュースでも話題になってましたから」

たしか、最上階は中心地の夜景がリビングから180度見えるって謳っていたっけ。

他の部屋やバスルームも、夜景が一望できるとイメージ写真で見てため息が出たのを覚えている。
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