イケメン弁護士の求愛宣言!
「あら? 蒼井さん」

鏡越しで目が合うと、美織さんは一瞬驚いた顔をしたけど、すぐに笑顔を見せた。

「さっきは、お邪魔しちゃってごめんなさい。蒼井さんて、真斗の恋人?」

さすが検事だけあって、本人は普通に話しているんだろうけど、こっちは威圧感でいっぱいだ。

硬いと自覚しつつ、小さく笑顔を作る。

「いえ、違います。今夜は、たまたま誘っていただいただけなんです」

おずおず答えると、美織さんは「ふぅん……」と言いながら、どこか納得していない。

まるで舐めるように、私の全身を眺めている。

それが『品定め』をされているようで感じが悪い。

すると、美織さんはフッと笑って私に言った。

「たしかに、真斗の恋人なわけないか。彼の好みとは正反対だもんね」

「えっ?」

いったい、この美織さんて人、何が言いたいわけ?

さすがにムッとして彼女に険しい視線を送ると、美織さんは持っていたブランドもののポーチを洗面台に置いた。

「私ね、半年前まで真斗と付き合ってたの」
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