イケメン弁護士の求愛宣言!
「ええっ⁉︎ けっこうです」

退屈だなんて余計なお世話。

だいたい、もしそうだとしても、こんな人たちと一緒になんていたくない。

おもいきり嫌悪感丸出しにしたつもりなのに、彼らはおかまいなしにヘラヘラしている。

「いいじゃん。行こうよ」

「イヤですってば!」

それでも強引に腕を引っ張る力に抵抗するように、こちらも引っ張り返す。

だけど全く力が敵わず、無理やり連れて行かれそうになったときだった。

「人の彼女になにをするんだ?」

真斗さんの声と同時に、彼らの腕が持ち上げられた。

どうやら真斗さんの力は相当強いらしく、私を掴んでいる手が自然と緩み、やっと彼らから離れることができた。

「す、すいませ……ん」

顔を歪めている彼らに、真斗さんは表情ひとつ変えずに言った。

「じゃあ、とっと帰ってくれるか?」

「はい。帰ります……」

真斗さんがパッと手を離すと、彼らは一目散に走っていってしまった。

その姿に呆気にとられながら、真斗さんのため息が聞こえて我に返る。

「由依子ちゃん、夜遅くにひとりで歩くのは危ないだろ?」

「はい……。ありがとうございます。まさか、追いかけてきてくれたんですか?」
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