イケメン弁護士の求愛宣言!
美織さんはいないみたい……。

真斗さんの背後に視線を伸ばしても、彼女の姿はなかった。

「当たり前だろ。急に逃げるように帰ろうとするんだからさ。焦って追いかけてきたらナンパされてるし」

「すいません……。でも、嬉しかったです。また、助けてもらって。それにしても、真斗さんって力が強いんですね」

片手で相手の腕をひねり上げるなんて、かなりビックリだ。

「まあ、多少は。それより由依子ちゃん、なんで急に帰るなんて言うんだよ? オレはもう少し一緒にいたかったんだけどな」

真斗さんは、子どものように口を尖らせて不満顔を見せている。

助けてもらえたことと、追いかけてきてくれたことが素直に嬉しくて、胸がいっぱいになった。

「すいません……。でも、美織さんは大丈夫なんですか?」

やっぱり『元カノ』の存在が気になってしまい、口に出ていた。

すると、真斗さんは少し怪訝な顔をした。

「どうして、美織のことを聞いてくるんだ?」
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