恋が都合よく落ちてるわけない
背中に回された、太い腕。

顔にまともに、
吹きかけられる息がくすぐったい。
大きな硬いものの上に寝かされていた。



大きな手がさっきから、私のブラの肩ヒモをずり下げては、また元に戻している。


須田さん?

「やっと目が覚めたか」
私は、須田さんの上で目が覚めた。


ぴったりくっついた体のことは、考えないことにする。

ヒモがずり下げられ、辛うじて胸の脹らみに引っ掛かっている。


何するんですか!!

と言いたいけど、
そう言ったら、
身ぐるみはがされるに決まってる。



「シャワー浴びてもいい?」
お願いのポーズで訴える。


「ああ…、
そんな格好でいられても困る」


そんな格好と言うのは、全然可愛いげのない、ベージュの下着。


あんまりセクシーじゃないけど。


須田さんは、早く行けと言うように、
散らばった、私の洋服を、
拾い集めて、渡してくれた。


それを持って、バスルームに向かう。



「お先にすみません」
と頭を下げる。


「ああ」
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