恋が都合よく落ちてるわけない
「西川さん、違う!外に出たい!!」ジェスチャーで訴えるも、必死さが伝わらない!!

「開けて!!」

「騒ぐなよ。夜中だぞ」奏がドアを開けて入って来た。

「下ろして」


「ダメ。あいつのとこ行くだろ?」


「当たり前じゃない、
話しに来たんだもの」

「車出すよ。ほら、
西川さん夫婦に手を振って」

「そんなことするもんですか!!」

奏がエンジンをかけようとしたので、私は、運転席に向かって、奏の邪魔をした。

「いったい何するんだ、このじゃじゃ馬」

私が、運転席のドアに手をかけたのと同時に、西川さんが助手席のドアを開けた。

「大島くん、何やってるの?」

西川さんの言葉に、私は、がっかりして手が弛み、奏にドアから引き離された。
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