恋が都合よく落ちてるわけない
朝御飯を食べ終えると、
西川さんに仁志さんの分の食事を、
部屋に運ぶようにと言伝てられた。

陽子さんに、奏君じゃなくていいの？
とからかわれたけれど、私は、それを無視した。

「奏は、昨日、須田君に相当飲まされたから、今日1日は立ち上がれないだろうな」
西川さんが、お膳を片付けながら言う。

「昨日、みんなで飲んだんですか？」
何だか仲間外れにされた気分。

「ああ…
あんまり楽しい雰囲気じゃなかったから、千鶴ちゃんはいない方がよかったな」

西川さんが、また、千鶴ちゃんと呼んでくれたけど、チラッと陽子さんの方を見たのに気づいた。

「昨日は、妊婦も参加できなかったのよ」


「当然だろ？ただでさえ、黙ってこんなとこまで来て…」

私は、仁志さん用のお膳を持って立ち上がった。

「千鶴ちゃん、須田君にちゃんと食べさせてあげてね。そのまま置いてくると、気がつかないまま夕方になりそう」と陽子さん。

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