恋が都合よく落ちてるわけない
「じゃあ、須田君に拒否されたから帰るるって言うの?
あいつ、本当に具合悪いだけかもよ」


「いいえ。そういうのじゃないと思います。ちゃんと拒否されました。
近寄るなって…
正直、こたえました。須田さんの顔見ても何て言っていいのか分からないくらいに」


「ほら、ご覧なさい。
面倒くさいんだから」


「せっかく教えてもらったのに、
忠告生かせませんでした。ごめんなさい」

私は、陽子さんがため息をついてるのを初めて見た。

「何でだろうね…
須田君、前のこと引きずってるのかも」


「深雪さん…」


「千鶴ちゃん、なんだ、知ってるの?」


「深雪さんか。忘れてないんだろうな」


じゃあ、余計に入り込む隙なんかないんだろうな。

「陽子さん、私、やれることは、全部やりました。それでダメだったらあきらめます」
< 172 / 196 >

この作品をシェア

pagetop