恋が都合よく落ちてるわけない
成功したとは、思えないけど、
出来ることは全部したと思う。

もう、何にも残ってない。

私が、きっと陽子さんのように
できれば、こんなにすれ違うことなんかなかったのかなあ。

ベッドに入る前には、もう帰り支度を済ませていた。
朝、まだ暗いうちに、ホテルを出て行くつもりでいる。


バスルームで着替えを済ませ、
アパートには帰らず、実家に帰ろう。
下田課長には、しばらく会社を休むと連絡しておいた。


まだ寝ている人に、軽くキスして部屋を出た。

ロビーでタクシーを待ち、くらい景色にため息をつく。


目覚ましかけなくても、起きれたじゃないの。これなら、もう一時間早くてもよかった。

終わったなあ

来なきゃよかったかなあ~

しぃ~んとした、だれもいない部屋、
あの日の夜みたいだ。

時刻はもうすぐ5時、タクシーが来る時間だ。私は、立ち上がって、ホテルの出口に向かう。
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