恋が都合よく落ちてるわけない
実加の調べてきたことに、
間違いなんかないのに。

半分は、実加の勘違い。
嘘だと思いたかった。

真っ直ぐで、嘘がなく、一緒に暮らしても他の女性に何か目もくれないだろうな。彼のこと勝手にそう思ってた。

なのに、
本人に問い詰めたら、あっさり認めた。

「ごめん。もう、そうするしかなかった。結婚したのは、事実なんだ。急なことで君への説明が、できなくて…」


「そうなんですか…
それは、おめでとうございます」


彼は、
「ごめん、
僕から言わなきゃと思ってたのに…」

と繰り返すばかり。


「そんなはず、ないじゃないか」
そう言って、否定してくれると思ってた。


もし、結婚しているなら、近づいて来た時に、そう言って私を遠ざけるくらい、誠実な人だと思ってた。


指輪をしてるとか、
わかりやすいところどけじゃなく、
細心の注意を払ってきたのに。



何の役にも立たなかった。


昨日から
携帯にも、たくさん着信が来てた。



やり直すつもりはない、
と一度だけメールを送る。



それで終わる。
そう思ってた。




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