恋が都合よく落ちてるわけない
「ごめん、こんなことになってしまって」
西川さんは、深々と頭を下げる。
どんだけ勝手なんだ?
周りのこと何か考えてない。
「もう、何も聞きたくない」
「千鶴は、僕が
結婚したこと怒ってるよね?」
心が凍りつく。
「怒ってなんかいない」
怒ってどうなることじゃない。
「おこってないのか?」
その為にどれだけ人を巻き込むの?
「終わったことですから」
振り切って行こうとした。
けれど、つかんだ腕を
離してはもらえなかった。
「そんなわけ行かない。せめてこれだけは言わせて。僕は君が好きだった」
「今、それを言えば私がよろこぶと思いますか?」
「わかってる。でも、
言わなきゃならない」
「千鶴とは別れたくない」
「何言ってるの?」
「本気だ。君に近づくやつは、
みんな邪魔してやりたい…」
私は、腕を引っ張られて、
普段使われてない、
打ち合わせに使われてる
自販機のスペースにつれてこられた。
「人に見つかる…」
「構わない」