恋が都合よく落ちてるわけない
「西川さん?どうしたんですか?」
後ろから、声をかけられた。

助かった!!

西川の手がゆるんだすきに、
捕まれた手を振りほどいた。

私は、声のした方に走り出した。


「大丈夫か?」
声の主は、私を抱きとめてくれた。
私にだけ聞こえるように言った。


「須田さん…」
私は、須田さんの後ろに隠れる。



「須田、お前は、関係ないだろ」

西川さんが吐き捨てるように言う。
こっちに向かってくる。



「そうですかね。
今の全部録画しましたから」

須田さんは、携帯を上にかざして見せる。



「録画?
何でそんなことすんだ!」


「このスペース、
変な目的で使われてるなと思って。

やってる事、犯罪ですよ。
わかってますか?

ここは、会社の中ですよ。
そっちこそ、わきまえて下さい」

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