恋が都合よく落ちてるわけない
「おい、鼻の下のびてるぞ」


須田さんは、打ち合わせが終わると、
岡崎さんを次の仕事があるから
とさっさと追い出した。


そうしておいて、
私が岡崎さんに、
ぽおっとしてたのをからかう。



「そんなはずないです」
一応、鼻の下に、
何か付いてないか確かめる。


「ああいうのが好みか?」


「いけませんか?
帰れ、なんて言わなければ、
もう少し一緒にいられたのに」


「あいつも忙しいから、
お前の相手なんかしていられないぞ」


「わかってます。
はあっ…でも、ああ、好みだなあ」
心の声が口から漏れた。
須田さんにも聞こえたらしい。


「何?お前、ああいう、
生命力弱そうなのがいいの?」
なんなの、その言い方!!
あなたに、生命力が有りすぎるんでしょ。


「失礼な、繊細なんです。岡崎さんは」



「どうかな」
私は、吹き出しそうになる。



「須田さんは、
岡崎さんと知り合いなんですよね」



「ああ」



「どこで知り合ったんですか?」



「大学…」


へっ? 反応それだけ?
思いきり、言いたくない
オーラーがででますよ。
これは、何か有るかも…


「なんだ、同級生には見えないか?」



「はい」


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