恋が都合よく落ちてるわけない
「付き合いだしたばっかりだもんな。
俺たち」


「うん」私は、あいまいにうなずく。
そこまでかんがえてなかった。

須田さんは、またキスをした。

須田さんの部屋に戻り、
また、ベッドに戻ったところ。

「いつまで、俺のこと、
須田さんと呼ぶつもり?」


「ひっ … 仁志さん」
くすっと笑う。


「千鶴」
私は、須田さん…

んん …仁志さんが、

まっすぐ私を見つめながら、千鶴と
名前を呼ぶのが好き。



「会社では、須田さんと呼ぶけど…」



「仁志でも、いいぞ」



「ダーリン」



「ハニー」


「ぶっ!?」
二人で同時に笑いだす。
何、この恥ずかしさ…




「家の中では、いいな。
ダーリンて呼ばれるの」


まじ?本気なんだ?


仁志さんは、
腕を後ろに回してキスをする。


「じゃあ、おねだりするとき
使わせてもらう」



「じゃあ、してみろ」



「何を…」


「何かねだってみろよ」



「急に言われても…」



「貴司には、したのに?」



「してないって…」



「した。涙流して、
泣きそうな顔でコーヒー見つめながら」

岡崎 !! 何しゃべった !!



「あっ」



「本当なのか?それ…
あいつには見せたんだ。許せねえ…」


「ごめん… 何でもするから…」


「じゃあ、こうしろ。
まず、顔を上に向けて…」



ぴったりと体をくっつけ、
首に腕を巻き付けろと指示される。



「はい…」



「上目遣いで、目を潤ませて…」



「無理」



「して…」



「して…?」



「ダメ、感情が入ってない」


「もう…面倒…」



仁志さんの顔を自分の顔に近づけ、


仁志さんの柔らかい唇に、
自分の唇をを押し付ける。



何も身につけてない肌同士がこすれあい、熱を帯びてくる。



私の唇から、逃れて行こうとする彼の唇をキスて繋ぎとめる。
「だめ。まだキスがいい…」
お預けくらったみたいで、それを見てると笑がこぼれる。


「キャァ!」

焦れた彼は、
力ずくで私の体を押さえつけた。



「やばい…俺、はまった…かも」


「ちょっと待って…あっ…」


足が持ち上げられ、
大きな体が、覆い被さり
手加減無しに何度も押し付けられる。


でも、波のような起伏が去った後の、
この長いキス嫌いじゃない。


彼の首に腕を巻き付け、
耳元で言う。


「もっと、キス…して…」



「うっ…もう…死にそう」



これで焼きもち焼かなくなった?


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