恋が都合よく落ちてるわけない

「いくつ外すのよ」

「ブーブー 不正解。全部脱ぐ」

須田さんが、ボタンに手をかける。
「止めて、あなた」

「ん?今、何て言った?聞こえなかった」

仁志は、
私が答えられないように
私の唇をキスでふさぐ。


「会いたかった」

仁志さんは、私の言ってることなんか、
まるで聞こえてない。

彼は、子供がオモチャの
ラッピングをはがすように、
私の着ているものをはぎ取っていく。

子供がするように、私の体を確かめ、見る。そして、五感全部で味わう。

私は、彼の頭のてっぺんにキスをする。
「会いたかった…」もう一度言う。

聞こえたのか、今度は腕に力が入り強く抱きしめられる。

「俺も、会いたかった…」

「うん」私も仁志さんの体を抱きしめる。

「大丈夫か?」
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