恋が都合よく落ちてるわけない
周囲の人々
「おはようございます、お姉さん」
薫子さんが、私の方をちらっと見て言う。

「すみません。遅くなってしまって」

ほとんど食事の用意は終わり、
私たちを待っていたと思われる。

一緒に朝ごはん食べるんだ。
まあ、彼一人なら、そうだろうな。


「仁志は、まだ、寝てるのか?」
須田父が聞く。

「はい。もう一度起こしてきます」



「いいわよ、千鶴さん。
お兄ちゃんがいない方が話しやすいし」
両親や兄より、影響力がありそう。

何か怖い気がする


「先にいただきましょう、母さん」

「そうだな」須田父も同意した。

そして、視線が私に向けられた。
「お兄ちゃんは、
なんて言ってここに千鶴さんを
連れて来たんですか?」


「あの…事情があって、
仁志さんが心配して、
連れて来てくれたんです。
ですから、特別な約束をしている
わけじゃなく、あの…」


「やっぱり、そうか…
話が早すぎると思った」
と薫子さん。お兄さま、行動見抜かれてますよ。

「でも、このまま居てくれたら…」


「おとうさん…」
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