恋が都合よく落ちてるわけない
昼休み、私は、
実加とお弁当を食べている。

「驚きの展開だね」美加がいう。

「何だか、変な感じ。
自分でどうすることも出来ないなんて」

「うーん。辛いね。それは。でも、須田さんと一緒にいられるんでしょ?」

「ええ」

「心配してるじゃない、彼」

「でも、家のなかで囲っておけばいいと思ってる」

「じゃあ、千鶴はどうしたいの?」

私は、ため息をついた。
「わかってるの。部屋に入った人物が誰だか分からないと、何もできないって」


「ナイトが何とかしようとしてるんだから、黙って見てればいいのよ」


そうだろうか?


「そんなことより、長引くと、
実家にバレる」それも悩みの種。



「何か問題でも?」



「一緒に住むくらいなら、けじめを
つけろって言われるわ」



「須田さんだって、
わかってるでしょ、そんなの」



「何なの?この、絡めとられるみたいにいつのまにかがんじがらめなのは…」
本当にこのままでいいのかな。


「あんた、まだ西川さんのこと、
忘れてないんじゃない?」


「時々…分からない時がある。だって、あんなことされても、どこかで、やむを得ない事情が有るんじゃないかって、思っちゃうの」
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