王子様は青春の中にいる

 雑誌とにらめっこして勉強してもカタカナの並ぶファッション用語は、右から左に流れるばかり。

 全く興味が持てない。

 朝早く起きてまでメイクしたいと思わない。

 ギリギリまで寝ていたい。


 だからダメなんだよ。

 分かっちゃいるけど、できなんだよ。


 メンドくさい。


 私の悪いところ。


「最近一人なのね」


 弁当をカバンから引っ張り出していると声が降ってきた。

 見上げると国広冬華(くにひろ とうか)さんが、私を見下ろしていた。


「え……うん」

「藤枝(ふじえだ)たちと食べてたんじゃなかった?」


 戸惑う私を気にする様子もなく、私の隣――自分の席に座る。


「先週の途中まではそうだったかなぁ……」
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