王子様は青春の中にいる
 机に上に手に持っていたビニール袋からパンをいくつか出していた。

 購買から買ってきたんだろう。

 結構な量を食べるんだな、細いのに。


 国広さんは黒髪で、化粧もしていないが美人なのは紛れもない事実。

 すっぴんでこの威力。

 女優級の美人が普通に高校生している……都会ってすごい。


「じゃ、今日は一人でお昼のつもりだったの?」


 国広さんが長い髪をさらりと肩から流しながら首を傾げ、私に視線を送る。


「そうです」

「あはは!
なんで敬語なの?」

「あ、いや、思わず……」


 大きく口を開けて笑う姿も綺麗です。

 私が男なら、すでに落ちてる。
< 15 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop