王子様は青春の中にいる
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『第一回補習を始める!
……といきたいところだが、やっぱり忙しくてな。
助っ人にお願いしてるから、それまでこれやって待ってろ』


 頑張れよとニカッと笑うと、さっそうと教室――化学準備室を出て行った。

 絶対忙しいってうそだ。

 メンドくさいから、押し付けたに一票。

 佐伯先生は生徒から人気はあるけど、結構大雑把なところがあるというのは噂で聞いていた。

 体育教師より体育教師らしいともっぱらの評判らしいし。

 たぶん、自分の受け持っている部活――水泳部にでも行ったんだろう。


 補習なんて気は乗らないけれど、この部屋涼しい。

 放課後になると、教室のクーラーは使用禁止になるから準備室での補講はありがたい。
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