王子様は青春の中にいる
「それにしても、助っ人って誰が来るんだろ……」


 机に突っ伏した私は、意味もなく声に出す。

 来るとしたら副担任の前田先生だろうか。

 それにしてもこの問題わからない。

 これは致命的だ。私の脳みそポンコツ。

 ガラッとドアが開く音がしたのは、どれくらいしてからだろう。

 わからない問題ばかりすぎて、早々と暇をもた余していた私は、頬杖付いていた顔を慌ててあげた。


「……え?」


 そして、思いもしなかった人が立っていた。

 今朝、見たばっかしだけど。

 正面から見るのは初めてだ。


 王野柊司。青春の王子。

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