歪な愛のカタチ
「うちくる?」


隆ちゃんに言うとちょっと驚いた顔。


「あ、誰もいないよ。親は夜勤でいないし」


そう言うと隆ちゃんは


「お邪魔します」


と言って小さく笑った。



鏡を見ると酷い有様。


化粧が涙でボロボロ。

「酷い顔じゃない?」

自分の顔を指さしながら隆ちゃんに言うと隆ちゃんはティッシュで優しく涙を拭いてくれた。


「帰ろうか」


そう言った。


「うん。」


隆ちゃんと手を繋ぎながら校舎を後にした。


冷たい風が頬にあたり、それがやけに冷たかった。
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