歪な愛のカタチ
電車に乗った僕達は無言だった。


由佳は外ばかり見ていた。


僕の心も、チクンチクンと痛んだ。


僕も由佳も気持ちを伝えたけどダメだった…どんなに頑張ってもダメなことってあるのかな…。

ふと、そう思った。


「隆ちゃん、降りよ」

由佳が僕の制服を引っ張った。


「うん。」

僕達は電車を降りた。

ここは由佳の最寄駅。


電車を降りて僕は自動販売機でココアを二つ買って由佳に一つ渡した。


「はい。風邪ひくよ」


由佳はココアを受け取り、俯いた。

そして小さな声で


「ありがとう」と言った。


僕達はまた手を繋ぎ歩き出した。

由佳は終始無言だった。


由佳の家に着くと由佳はキョロキョロと周りを確認する。


「大丈夫だよ、百合さんも和真くんもいないよ」


僕がそう言うと由佳は大きく深呼吸をした。
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