wolfeye
私のカバンをいったん横におろし何処かに電話をかけはじめた。

「ああ、俺母さん居る?」

「一人雇ってほしい子がいるんだ」

「そう、住み込みで」

「大丈夫かな?」

「うん、詳しいことは後で話す」

「じゃあまたあとで」

オーナーは電話を切るとまた荷物を持ち私に話しかけてきた。

「じゃあ、住み込みの仕事を紹介してやるただし、普通の家と違うけどいいか?」

と聞かれ

「どんなところですか?」と尋ねると

「俺の実家」

それで、体調が良くなってほかに仕事が探せるようになったら出て行けばいいだろ?

と言われ少し考えたがお願いすることにした。

「すみませんがよろしくお願いします」と頭を下げると

早く来いと言って車を止めてある場所まで歩く

運転手さんがトランクに荷物を積んでくれるとその間にオーナーはドアを開け私を座らせてくれた。

「本家に行ってくれ」というと車は動き始める

運転手さんは少し怖そうな人だったが私に話しかけてきた。

「あんたあの孤児院にいた子じゃないのか?」と聞かれうなずくと

「きれいになったなああの時はまだぽちゃぽちゃしてて若の事を泣きながら追いかけてきたのにな」と語り始めた

急に大きな声で、「黙れ」とオーナーが怒鳴ると

運転手さんは「すみません」と言いまた車内は静かになった。

この人私のこと知ってるんだ

考えれば考えるほど思い出せなくて頭が痛くなる

両手で頭を押さえると

オーナーが抱きしめてくれる

普通なら怖いのになんで安心するんだろ?

分からないまま本家に到着した
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