ヴァンパイヤに魅せられて〜虜〜
「とりあえず、礼を言うべきかな」


「気持ちのこもっていない言葉なんていらないけどな」


アベルの肩をすくめる様子に苦笑する。


腹違いの1つ年下の弟。


正室の息子である自分と側室の息子であるアベル。


子供心に理不尽さを感じる扱いの違い。


自分なら恨んでいる。


だから、信用しきれない。


こいつといると自分はなんて小さな人間なんだと思い知らされる。
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