~Still~
エレナは、小さな声で呟いた。

「颯太くん…あなたを、好きになってもいいのかな」

この男を好きになって、私は幸せを感じるの?

不安と猜疑心に苛まれるんじゃない?

分からない。

怖い。

「いいですよ」

「きゃああっ!」

眠っていると思っていた颯太が急に口を開き、彼にかける物を取りに行こうとしたエレナの腕をグイッと掴んだ。

引き寄せたエレナを素早く抱き締めると、体を反転させ、颯太はエレナをソファの上に組み敷いた。

エレナの驚いた瞳が何とも可愛らしく、颯太は大きく笑いながら彼女を見つめた。
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