~Still~
颯太はしっかりと頷いた。

ゆるゆると胸の中に何か温かいものが溢れ、やがてそれが身体中に広がっていくのを感じて、エレナはただただ颯太の眼を見つめた。

鼻がツンとして、エレナが思わず眉を寄せた時、颯太の唇が優しく頬に触れた。

「エレナさん、僕とお付き合いしてくださいますか?」

頬がこそばい。

「うん」

「やったあっ!」

「急に叫ばないでっ」

「ははっ、すみません。
僕、明日…ていうか、日付変わってるんで今日なんですけど、休みなんです。僕とデートしてくれませんか」

「デート?」

颯太はエレナを抱き起こしながら爽やかに笑った。
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