~Still~
「はい。デートです」

「…うん」

「じゃあ、決まりです」

それから二人はソファに腰掛け、語り合った。

「…エレナさん?」

返事が返ってこなくなり、自分の腕の中で眠ってしまったエレナを見て、颯太は彼女の髪を撫でた。

やはり欧米人の血が入っているからか、日本人と比べると彫りが深い。

……外見は華やかで綺麗なのに、中身は地味としか言いようがない。

真っ直ぐで真面目で、全然あの頃の志がブレてなくて。

綺麗なのに、その外見を俺に対して武器にしないところが、寂しいようでもあるが、媚びてなくてグッと来る。
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