~Still~
「…可愛かったから、許します」

そう言うと、眉を寄せ、じっと考え込んだエレナを見て、颯太は首をかしげた。

「どうしたんですか?」

「眠っちゃったのが、どうして可愛いのかなって」

まじか。

そんな事、分からないのか?

……俺の腕の中でクタリとしているだけでも、可愛い。

抱き上げて寝室に運ぶ時に、俺にしがみついたのも。

頬にキスすると、幸せそうに微笑んだ顔。

「エレナさんは、分からなくていいことです」

颯太はそう言うと、エレナの頭に手を回して自分の胸にトンと押し付けた。
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